【唯SIDE】
「なんでバスケ部にも入ってないヤツらがあんなに上手いんだよ……」
バスケコートを囲むようにできた人だかり。
その中から聞こえるのは、女子の黄色い悲鳴と、男子の呆れたような声。
バスケコートの中心にいるのは、
都築くんと本宮先輩だ。
都築くんの提案だったけど、本宮先輩も事情を聞くなり、呆れて笑いながらも承諾した。
そして、“1 ON 1”(ワンオンワン)が始まったのが10分前。
Yシャツを捲り上げて爽やかな汗を流すふたりに、女子どころか男子の視線まで釘付け状態。
バスケの事とか全然知らないけど、ふたりが上手いのは分かる。
ドリブルもシュートもディフェンスも、フェイントみたいのも。
思わず口を開けたまま見とれちゃうくらい、うまい。
っていうか、うっかり見とれちゃうくらいキレイ。