「でもね、機材とか、学校側じゃ用意しにくいから、できれば持ち込みでやって欲しいんだって。
……大丈夫かな?」
津田さんは、一拍置いてから、「多分」と頷く。
なんでだか終始迷いが見える津田さん。
理由を聞こうかとも思ったけど、目の痛さに負けて、早口で伝える。
「じゃあ、よろしくね。2時から30分間だから、バンドの人にもそう伝えてもらえる?
何か変更があったら教えて」
それだけ言って、グラウンドを後にした。
「痛い……」
左目を手で覆ったまま、よろよろ歩く。
なんか、右目だけで見てると焦点が微妙に狂ってて、距離感が計りづらい。
そういえば、いつか授業で習った気がする。
左右の目の見え方は少しだけど違うんだっけ。



