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いつからだろうか。

負けた方のおごりで(…主に俺だが…)ジュースを飲みながら一緒に帰るのが俺たちの…麻子と俺との、日課になっていた。


並んだ2つの影。

ヒョコヒョコと動くそれらは、互いに均等な距離を保つ。


「もうすぐなんだな、最後の試合」

「うん。なんだかそう考えるとさみしいなぁ」


麻子の短くなった髪が、夕暮れの川の水面から反射する光で輝く。

それが少し眩しくて、目を細めた。


「特にアンタはバスケなくなっちゃったらただのバカになっちゃうもんね」

「は!?」

「だって元、今はバスケバカだけど、部活なくなっちゃったらバスケバカ―(ひく)バスケでバカでしょ」


イタズラっぽく俺の顔をのぞきこむ、麻子の顔。


「…バカじゃねえよ」

「テスト16点なのに?」


麻子がさらに笑って言う。


「…何で知ってんだよ」

「翔太くんに聞いた」



…翔太め、後で殺してやる。




夕焼けの空があたりを隙間なく真っ赤に染める。


麻子の横顔も、優しい赤色に染まっていて…吹き抜けるおだやかな風が顔を撫でて、なぜだかくすぐったくなった。