まだ祭りが始まったばかりだけど、もう沢山の人が集まってきていて、屋台の前の道が埋まり始めていた。


「ねぇ、碧。S王子とはどうなったの?」


「あぁ、うん。一応はすぐるの気持ち聞けたよ」


少し照れながらそう言うと、律は「何て? 何て?」と、興味津々に聞いてくる。


本当に、人の事となるとすぐに首を突っ込みたがるし、詮索したがる性格だ。


「怒られちゃった」


「え?」


「『好きでもない女を恋人にすると思ったのか』……って」


そう言うと、律はポテトの袋をキュッと胸で握り締め「きゃ~っ!!」と、黄色い声を上げた。