すぐるの名前が誠先輩の口から出てくるのに、時間はかからなかった。


「あいつと付き合ってた子たち、全員同じ目にあってんだよね」


ズキン。


ズキン。


胸が苦しくて、声ができない。


数日前に見た虹は今はもう消えていて、ほんの少しの幻だったのだと、空があざ笑う。


「学校が違う子でさえ、同じようにいやがらせを受けてた。

君も、あいつと付き合ってるんだよね?」


「……っ!」


誠先輩の質問に答えられず、私は走り出していた。