雨音色

「おはようございます」


牧の研究室のドアを開けた。


「・・・藤木君か」


椅子に座っていた牧が顔を上げる。


心なしか、普段より声に張りが無い。


「どうされたんですか?元気が無いようですが」


牧が一度口を開け、閉じる。


何かを躊躇しているようだった。


「・・・君に伝えることが2つある。

良い事と、悪い事だ。どちらの方を先に聞きたい?」


そんな二者択一、出来ればあって欲しくなかったが。


そう、彼は考えた。


しばらくして、彼が答えた。


「悪い方から、お願いします」


彼がにっこりと微笑む。


牧は大きなため息をついた。


珍しく緊張した面持ちを、牧はしていた。