岩だらけの山。
僅かな平地は無味乾燥な砂漠。
所々に点在する緑のブッシュ。
地平線の向こうで、微かだが砂煙が見えた。
予定通りだ。
距離からすれば、後二時間もすれば射程距離に入る。
ムジャールは、傍らで身構えている男に目で合図を送った。
察した男は岩場の陰から移動し、指示されていた位置へと動いた。
男は背中に担いでいたロケットランチャーを手にし、何時でも撃てるように安全装置を外した。
まだ射程外だ。
高まる気持ちを静める為に煙草を取り出した。
火を点けようとしたら、
「ヨシオ、ノースモーキング」
とムジャールが言った。
周囲に何も遮る物が無い所では、例え数十キロ離れていても、僅かな火や煙でこちらの所在が判ってしまう。
男は、自分の無知を恥じた。
「ソーリー」
男は煙草をポケットに戻し、目を閉じた。
僅かな平地は無味乾燥な砂漠。
所々に点在する緑のブッシュ。
地平線の向こうで、微かだが砂煙が見えた。
予定通りだ。
距離からすれば、後二時間もすれば射程距離に入る。
ムジャールは、傍らで身構えている男に目で合図を送った。
察した男は岩場の陰から移動し、指示されていた位置へと動いた。
男は背中に担いでいたロケットランチャーを手にし、何時でも撃てるように安全装置を外した。
まだ射程外だ。
高まる気持ちを静める為に煙草を取り出した。
火を点けようとしたら、
「ヨシオ、ノースモーキング」
とムジャールが言った。
周囲に何も遮る物が無い所では、例え数十キロ離れていても、僅かな火や煙でこちらの所在が判ってしまう。
男は、自分の無知を恥じた。
「ソーリー」
男は煙草をポケットに戻し、目を閉じた。