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 その日の夕食時、新田は幸也の顔色をうかがっていた。


 目の前に並べられた豪華なおかずに、無言のまま箸を伸ばす幸也。

 ジッと一点を見つめているような目をしているのは、考え事をしている証拠だ。


「何を考えている?」


 新田の言葉に、幸也の箸が空中で止まる。


「あぁ、今回の事件のこと」


「何かわかりそうなのか?」


「まだだよ。幽霊なんて俺の分野じゃない。

だけど、戦力になりそうなヤツは見つけたよ」


 そう言いながら、ネコの顔を思い出す。


 冷たくて、透明なバリアを張っているようなネコ。


 だけどそれが逆に魅力的で、深い黒目にすべてを吸い込まれそうになる。