男はその声にハッと気付き、一瞬新田と目が合った。 その瞬間、並んでいるバスに見え隠れしながら、走り出す。 「待て!!」 怒鳴り声を上げて男の後を追う新田。 藤堂はどこだ? もう合図は送っている。 なのに、藤堂の姿が見えない。 男はグングン速度を上げて新田を引き離す。 「逃げるな!!」 そう言われて止まる人間は、まずいない。 しかし、叫ばずにはいられない性分なのだ。 男は駐車場を飛び出し、大通りを走りぬける。