「……なんだか、俺も怪しく見えてきました」 「だろう? 逃げられる前に捕まえるぞ」 「はい」 「いいか、1・2の3で同時に取り押さえる」 「わかりました」 新田は青いTシャツの男を睨み、藤堂は受け付けの男を睨む。 両者の鼓動が携帯を通じて聞こえてきそうなほど、ドクンドクンと早打つ。 「いくぞ……」 カウントが始まる。 「1……」 「2の……」 受話器の両方で、 「3!!」 と聞こえたと同時に、新田は走り出した。