新田がトイレから戻ってきたのは、藤堂が式場の中へ入ってからのことだった。 手にはパンとコーヒーの入ったレジ袋か握られていて、会場のすぐ隣にあるコンビニまで行ってきた事がうかがえた。 元の駐車場へと足を踏み入れる、その瞬間。 新田はある人物に気付き、歩調を止めた。 「何だあれは」 駐車場に停めてあるバスのすぐ横で、式場の入り口を凝視している男がいる。 男の服装は葬式にきたとは思えない濃いブルーのTシャツにジーンズという格好で、ここにはあまりにも不似合いだった。