といっても、死体は綺麗に化粧までされて、昌代の口元は微かな笑みさえ見せていた。 それが作られたものだと分かっていても、苦痛などない幸せな死だったのかと思ってしまいそうだ。 「あなた、誰?」 由佳子の声にハッと我に返って振り返る。 そこには、めくり取られた布を左手に持った、長身の男が立っていた。 紗耶香はその男の顔を見ると、 「あっ!!」 と、霊安室に響き渡るような大きな声を上げた。 ごく最近、見たことのある顔。 専門学校で、『邪魔なんだよ』と冷たく言いはなってきた、その男だったのだ。