部屋の寒さで少し頭がハッキリして、事の異常さに身震いした。 服はどこだ!? 脱衣所には、自分の服がどこにも見当たらない。 スーツの中には警察手帳やサイフなども入っているというのに。 慌てふためく自分を深呼吸してなんとか落ち着かせると、藤堂は脱衣所のドアを開き――。 部屋の、目の前の光景に言葉を失った。 口を半分開けたまま、後ろからルカの足音が聞こえるというのに動けない。