けれど……「ねぇ、何読んでるの?」 この人のことを知りたいと思った。 誰とも付き合わないからと、勝手に変なレッテルを貼られている沙耶香にとって、その時の栗田は『同じ』だったのだ。 一言でいえば、変なヤツ。 「マクベス……」 栗田はポツリとそう返事をした。 その言葉に沙耶香はフワリと薔薇のような笑顔を見せて「シェイクスピアね」と言った。