☆☆☆ 藤堂に余計な心配をされている沙耶香は、山の中を歩きながら大きなクシャミを一つした。 「大丈夫か?」 沙耶香の前を歩く冬我が振り返る。 「大丈夫です」 そう返事をしてから、軽く身震いをする。 寒くもないのに鳥肌が立つ。 それが藤堂のせいだとはつゆ知らず、警戒するように周囲を見回した。