車を走らせること約1時間。 昌代の遺体が発見された山を通り過ぎ、都会からすっかり姿を変えた田舎道が続く。 沙耶香は窓を開けてその綺麗な空気を胸いっぱいに吸い込み、 「こんなところがあったんだ」 と言った。 「東京と聞くと都会なイメージばかりあるが、狭い県内でも探せば田舎があるもんだ」 火のついていないタバコをくわえたまま冬我が答える。 車内は禁煙らしい。