19の夏~私の愛した殺人鬼~


☆☆☆

 冬我の運転はお世辞にも上手だとはいえなかった。


 赤信号を当たり前のように突破するし、この車にはブレーキが付いていないのかと思うほどスピードを出す。


 助手席のネコは慣れているのか涼しい顔をしているが、後部座席の二人はさっきから遠心力で振り回されっぱなしだ。


「私、酔ったかも」


 沙耶香が青い顔をしてそう言えば、

「この運転で酔わないヤツはいない」

 と、全く酔っていなさそうなネコがシレッと言う。