浮気女の嫁入り大作戦


 そんな二人の会話を眺め、真琴はごく自然な笑顔で告げた。

「あれ、お二人って付き合ってるんですか?」

 二人はぴたりと会話をやめ、彼女の顔を見る。

 奈緒と沢田の関係は、もちろん会社には内緒だ。

 これまでの三年間、そのように言われたこともなかった。

「え? そう見える?」

 タバコの火をもみ消しながら、先に沢田が言葉を発する。

「違うんですか? 話してる感じとか、距離感とか、何となくそんな気がしたから」

 わかる人にはわかるものなのだろうか。

 新入社員、侮れない。

「そんなわけないじゃない。あたしの彼氏は、もっとずっとイケメンよ」

「あーはいはい。うっせーな、どうせ俺はイケメンじゃねーよ」

「ごめんなさい、お二人って同期でしたもんね。勘違いしちゃいました」

 苦い笑いに包まれた給湯室。

 三人は揃ってオフィスへ戻った。