インドといえば、近年経済が著しく発展しているらしいが、まだまだ男尊女卑の思想が根強く残っている国だ。
婚前交渉も悪とされると、テレビで放送されていたのを覚えている。
そんな文化に染まっている人間(霊)なら、浮気をしている奈緒を嫌っているのにも納得がいく。
いつか奈緒を呪い殺したりしないだろうか。
やっと見ることができた霊がインド人だなんて、霊歴の長い俺もさすがにビビる。
樹の守護霊に嫌われてしまったなんて、嫁入り作戦においては大きな障害である。
憑いている霊の意思は、ある程度人間の運命や行動を左右するものだ。
樹が結婚を意識しなかったのは、彼の意思が樹に影響を与えているからかもしれない。
運命のいたずら、なんて言葉があるが、上手くいくはずだったことが突如邪魔されたりするのは、俺たち霊の影響が少なからずあったりするのだ。
のん気に手を握り合う二人は、今日の予定について話し合っていた。
いつも通り、外食をして樹の部屋に篭るだけなのだが。
俺は急に奈緒が心配になった。



