そのままじらしにじらしていると、右隣からメラメラとオーラが伝わってきた。
怒りのような感じだ。
霊なりに気まずさを感じ始めたとき、奈緒はやっと作り物の悩みを語った。
「実はね、告白されたの」
「告白?」
「うん。結婚を前提に付き合ってくれないかって」
樹からズンとストレスが伝わってくる。
右隣からはメラメラ怒りオーラ。
「それで、奈緒はどう答えたの?」
「彼氏がいるから、ごめんなさいって」
「うん、それでいいと思うよ」
おいおい、誰かに取られるかもしれないという危機感を感じさせるんじゃなかったのか?
解決させたら意味がないだろう。
「でも……ね」
奈緒は再び悩んだような顔をして続けた。



