そのまま二年間、この日も同じように一日を締めくくった樹は、満足そうに眠りに落ちていった。
昨日のうちに予防線を張っていた奈緒もまた、満足とはいかないがいつものことだと目を閉じる。
強かではあるが、彼と結婚しても一生誰かと浮気を続ける気だろうか。
月曜日、給湯室にて。
「ふわーっ、おはよ」
大あくびをしながら自らのカップにコーヒーを注いでタバコに火をつけた沢田は、先に喫煙していた奈緒にキッと睨まれた。
「どうしたの?」
「別に」
「彼氏と何かあった?」
「別に」
「料理、上手くいかなかったの?」
「違うし」
SK企画では、給湯室の換気扇下でのみ喫煙を許されている。
そして奈緒は、ここの給湯室でのみタバコを吸う。
ノンスモーカーの樹には内緒だ。



