翌朝、いつもより早起きした奈緒は、電車を2つ乗り継いで成田空港へとやって来た。
前日の結婚式の疲れを引きずって、電車の中ではぐっすりだった。
乗り換えの度に奈緒を起こしながら、2時間半かけてはるばるやって来た成田空港。
色んな人種が入り乱れて……と言っても日本人の割合が高いようだが、実にインターナショナルだ。
到着ロビーのベンチに座り携帯を握りしめていると、樹からメールが入った。
どうやら飛行機を降りたらしい。
それからしばらくして、スーツを身に纏った樹がキャリーバッグを転がしながら出てきた。
「樹!」
奈緒は満面の笑みで彼に駆け寄る。
が、樹の表情は浮かない。
一方で彼に憑くインド人は満足そうだ。
「お疲れさま。インド、どうだった?」
樹は奈緒から目をそらし、頭を掻く。
「ああ、うん。仕事だったから別に……」



