浮気女の嫁入り大作戦




 沢田とまともに話はしないまま迎えた週末。

 奈緒は友人真由美の結婚式に出席していた。

 ブルーのシックなドレスを身に纏い、髪は美容院でアップにして……。

 自分がどれだけめかし込んでも、花嫁の輝きには到底及ばない。

「真由美、おめでとう」

「奈緒! ありがとう」

 ああ、美しい。

 この笑顔が良い。

 花嫁というのはいいものだ。

 奈緒が辿り着きたいところへ先に到着した彼女は、ライバル視していたのに、いつの間にか雲の上の人になっている気さえしているようだ。

「はぁ。なんかもう真由美には敵わないよ」

 真由美の幸せオーラに圧倒され、奈緒は珍しく弱音を吐いた。

「どうしたのよ、奈緒らしくないじゃない」

 察してやってくれ、真由美。

 奈緒とお前じゃ憑いている霊が違いすぎる。

 こちらは戦死した兵隊だが、お前には将軍が憑いているのだ。

 奈緒はたった今、身の程を知ったのである。