急に女の園へと化した給湯室は、女性特有の話題で持ちきりになる。
佐和子がタバコに火をつけたが、奈緒と真琴はお喋りのため室内に居残った。
今日の話題は日焼け止めクリームの話題のようだ。
俺にはついていけない。
そして始業時間ギリギリ、今日は三人でランチを食べる約束をして解散。
課長が喫煙をしにやってきたがあまりの盛り上がりぶりに入室し損ねたことに、彼女たちは誰も気付いていない。
やはり平成というこの時代は、女が強い時代である。
仕事中、奈緒の携帯に樹からメールが入った。
〈行ってきます。しばらく携帯は繋がらないけど、会社のメールなら見れるから。何かあったらそっちに連絡してね〉
インド人はさぞかし満足していることだろう。
母国に帰れるのだから。
樹が帰国したときには、彼はもういないかもしれない。
〈行ってらっしゃい。日曜日、成田でね〉
奈緒はそう返信し、仕事に戻った。



