浮気女の嫁入り大作戦





 次の月曜日、奈緒はいつものように朝から給湯室で喫煙していた。

 そこにいつものように、沢田があくびをしながら入ってくる。

 気まずい空気が煙を少しだけ動かした。

「おはよ」

「おはよう」

 沢田は何か言いたげだが、会社でむやみに話せる内容ではないらしい。

 土曜の朝の、リスキーな行動のことだろう。

 少し苦しい表情でタバコに火をつけ、一言。

「こないだはごめん」

 それに対し奈緒は、

「別に。大丈夫だったし」

 と冷たく答えた。

 空気は一層重くなってしまった。

 ここは会社だ。

 沢田は具体的に弁解をすることもできないし、奈緒が責めることもできない。

 花枝は二人の空気を感じていないのか、今日も優しい顔で沢田の肩を撫でている。