アリスとウサギ


 座って夜風に当たっていると、心がしんみりとしてきた。

 失恋しちゃった……。

 夜風も街灯に照らされたゴミ箱も一際眩しい自販機も、全てがアリスをセンチメンタルにする。

 じわり、視界が歪む。

 失恋ソングを歌った時だって何ともなかったのに、一人になるとダメみたい。

「……っく……」

 涙は一度目から溢れると、ボロボロ止まらなくなった。

「……ウサギ……」

 自分から関わるなと頼んでおいて、偶然ウサギがこの公園に現れるのではないかとか、気にかけて電話をくれるのではないかと期待してしまう。

 見渡しても公園には誰もいないし、携帯を握りしめても震えることはない。

 涙は止まらず一人で嗚咽する。

 ヒクッとしゃくりあげればその度に詰まった鼻のせいで息苦しくなった。