アリスとウサギ


 呆れる。

 しかし、それほど需要があるのだろう。

「あんた、結婚できないタイプね」

「するつもりもないけど。一生女とっかえひっかえして生きていきたいね」

 堂々と言ってのけたコイツに惚れてしまった自分が惨めだ。

 頑張ったって、ウサギの特別にはなれない。

 こんなどうしようもない男、好きになりたくなかった。

「もう何考えてるか理解不能……」

「俺の考えてることなんてシンプルだよ?」

「どこがよ……」

「酒と女と金のことしか考えてねーし」

 妙に納得してしまう。

 どれもウサギに似合う言葉だった。

「酒は仕事。女は欲。金は富。全部俺には欠かせない」

 そこでウサギのライムサワーが到着した。

 ギュッとライムを絞ると、透き通った液体がわずかに濁る。

 アリスがウサギを思う心情のようだった。