アリスとウサギ


「さすがウサギ」

「すんませーん生おかわりお願いしまーす」

 彼を知る男子たちは慣れたように次のビールを頼みだす。

 あんなに一気に飲んじゃって、ぶっ倒れたりしないのだろうか。

 アリスは唖然としたままウサギの様子をうかがった。

 新しいジョッキはすぐに来る。

 空いたジョッキと交換したウサギは、またそれをすぐに半分まで減らし、お通しへと箸をつけた。

 それにしても、酒の似合う男だ。

 あまり凝視するとまたからかわれる。

 今まで一度も視線を合わせていないが、彼はきっとアリスの視線に気がついているのだ。

 アリスは彼から視線を逸らし、女子同士の会話に入ることにした。

 カシスソーダをチビチビ飲みながら、隣の女子と通っている美容室の話に花を咲かせる。

 彼は彼で男同士の話で盛り上がっているようだった。

 ビールは瞬く間にウサギの腹に飲み込まれていき、アリスが次にウサギを見たときには、別の酒に変わっていた。