アリスの腕はウサギの背中に回されており、ウサギの腕もまたアリスの背中に回されている。
脚は絡まり、体は密着。
詰まるところ、アリスとウサギは互いに半裸状態で抱き合っているのだ。
アリスは寝ぼけた頭で、「逃げよう」と思った。
彼を起こさないようにゆっくり右腕を引っ込め、彼の腕をどかしながら脚をそっと引き抜こうとする。
「ん……」
低い唸り声がしたと思ったら、ウサギが眉間にしわを寄せている。
寝顔もキレイなところが憎たらしい。
そーっと、そーっと。
ウサギの様子をうかがいながら何とか起きあがった。
アリスはなぜこのような事態になったのか検証する。
昨夜仮眠を取るとき、携帯のアラームをかけたはず。
小一時間の仮眠のはずが、なぜ……朝までガッツリ、しかもウサギと抱き合って眠っているのか。



