アリスとウサギ


 アリスも合わせるように耳を差し出す。

 やっとウサギの正体がわかる……。

 そう思って。

 しかし、耳に感じたのは求めていた答えではなかった。

 チュッ……

 音と同時に体に戦慄が走る。

 戦慄は耳から首の裏を通り、それから全身に一瞬で広がっていった。

「きゃあっ」

 逃れようと思っても、肩をしっかり抱きとめられており、少し離れることはできてもすぐに追いついてきた。

 そのまま耳を攻められ続け、鼓動は高鳴り体温は上昇し、彼の吐息がかかるたびに体が震えた。

 聞かれたくない声が出てしまうのを、口を結び必死でこらえた。

 そしてやっと開放されたと思ったら、耳元でハスキーな音色が。

「続きがしたいと思ったら、俺が帰るまでここに残ってろよ」

 声は脳天をビリビリと刺激する。

 言い終わりにまたチュッと音がして、やっと耳からウサギの口が離れた。