アリスとウサギ


 振り向くと、スーツに身を包んだウサギの姿が。

 ストライプの入ったスーツに白シャツ、ノーネクタイの首元にはいつものネックレス。

 アリスは思わず息を飲んだ。

 その姿があまりにも様になっていて、カッコ良かったから。

 彼は袖を整えながら寝室に入り、アリスの隣まで来てPCデスクに寄りかかった。

「俺、仕事行ってくる」

「バイト?」

「仕事、だよ」

 やっぱりバイトじゃなくて仕事なんだ。

 アリスは改めて聞いてみることにした。

「仕事って、何やってるの?」

 ウサギはフッと笑う。

「何だと思う?」

「ホスト」

 今度はハハッと笑い、頬を掻いた。

「残念だけど、ホストではない」

「じゃあ何よ?」

 ウサギは笑みを見せたまま、小さく「耳貸して」と言って身をかがめた。