アリスとウサギ


「うちのパソコン使うか?」

 アリスは硬直した。

 ウサギのPCを使うということは、ウサギの部屋におじゃますることになる。

 彼は至って真面目な顔をしているが、相手は呆れるほどの女ったらし。

 女として貞操の危機を感じずにはいられない。

 ……が、無料でPCが使える環境はありがたい。

 そんな心理を読み取ったのか、ウサギは苦笑いしながら補足する。

「俺はすぐ仕事に行かなきゃなんねーし、鍵預けるから終わったところで帰ってもらってかまわないけど」

「あ……ほんと?」

 それなら大丈夫かも。

 そう思ったアリスは、ウサギの好意に甘えることにしたのだった。

「じゃあ、お願い」

 ウサギを追って、不思議の国へまっさかさま……なんてことはないだろうが、アリスはなんだか冒険に出かける気分になった。



 ウサギの部屋という名の、不思議の国へ。