アリスとウサギ


「あたしはね、あんたにとって一番近い存在になりたかったの。気持ちとか体とか、そういうこともあるけど……思ってることとか、悩んでることとか、共有したかった」

 ウサギの腕がキュッと締まったような気がした。

「俺は、お前が隣にいて、いつもムスッとしてるけど、たまに笑ってくれればそれでよかった」

 アリスもウサギに腕を回す。

 お互いに求めていることが違った。

 それが別れの原因であることはわかっていたけれど。

「でも、隠されると辛いんだな。今更だけど、わかった気がする」

「あたしも言いたくなかった理由、わかったよ」

 崩壊したように見えていた関係でも、土台はしっかり残っている。

 もう一度積み上げていけば、やり直せる。

 だけどそれにはきっかけが必要だ。

「お前がいると安心する。飯作ってくれると、幸せ感じる」

「うん」

「いなくなった時、どっかにいるんじゃねーかって、無意味に探してみたりしてさ。いないってわかって、すげー落ち込んだりしてさ」

「うん」