アリスとウサギ


 こう言うとやっぱりウサギは黙ってしまった。

 ちゃんと聞くまでは、絶対になびかないんだから。

 アリスは心にそう決めてウサギの心音を聞く。

「……俺、アリスとの付き合い方がわからなかった」

「付き合い方?」

「うん。アリスは普通の女子大生だし、その……俺なりに、大事にしたくて……色々ルールがあるだろ」

「ルール?」

「付き合って三ヶ月はエッチしないとか」

 アリスは胸の中で大笑いした。

「高校生じゃないんだから……!」

「笑うなよ。……結局そんなに待てなかったけどさ」

「でもあたしは、なかなか手を出してこないから不安になってたんだよ」

「えっ? そうなの? ますますワケわかんねぇ」

 戸惑い、自信をなくしたウサギの声。

 そんなこと考えてたなんて、微塵も想像できなかった。

 付き合ってもいないうちから手を出そうとした、ウサギのくせに。