愛羅はタバコの火をもみ消し、背もたれに肘をついて頭を手に乗せる。
何とも悪役らしいポーズが、失礼ながら似合っていると思った。
「この子、予想以上にイイ子みたい。……あたしたちと違ってね」
アリスはウサギが彼女を叱責しないことに安心しながら黙っていた。
「啓介は遊び人としてはイイ男だけど、彼氏としては失格ね」
愛羅はそう言って立ち上がる。
「そんな男、こっちから願い下げよ。お似合いなんじゃない? その子に」
「愛羅……」
「ミサって呼んでって、何度も言ってるのに」
「……ミサ」
「じゃあ、後は二人で勝手にしてちょうだい」
そう言って愛羅は玄関へと向かった。
ウサギが立ち上がったのを目で威嚇し、アリスに捨てゼリフ。
「悪かったわね」
それを最後に、ウサギの部屋を出て行った。
潔く去っていく後姿が、少しだけカッコ良く見えた。
アリスとウサギは再び二人きりに。
窓から夕焼けが射している。



