アリスとウサギ


「ちょっと待て。アリス、何でお前がマヤのこと知ってんだ?」

 ウサギの言葉に、アリスは凍りつく。

 ふと愛羅と目が合った。

「それに、水って何?」

 ウサギにとって、アリスと愛羅は知り合いというほどではないはずだ。

 ファミレスでの嫌がらせのことも、彼には話していない。

 突発的に交わした会話を反省しても、もう遅い。

「別に、たまたま二人がバイト先に来てくれて、少しだけ話をしたのよ」

 アリスはそれだけ言ってドアから出ようとしたが、ガッチリと腕を掴まれ阻まれる。

 愛羅は依然ツーンと余裕の表情を浮かべている。

「水って何?」

「お冷くらい出すでしょう?」

「じゃあ目が覚めたって何だよ」

「あんたには関係ない」

「そんなわけないだろ。お前らの繋がりは俺しかないはずだ」

 ウサギの怒った表情にひるんだ隙をつかれ、アリスは靴を履いたままウサギに持ち上げられた。

 こんな状況で、お姫様抱っこというやつだ。