アリスとウサギ


 直後に聞こえたのは、ウサギのため息だった。

 パネルに何が映し出されたというのだろう。

 アリスは嫌な予感がしてウサギの様子をうかがう。

「はい」

「啓介~? いるのぉ?」

 聞こえてきたのは女の声だった。

「いるけど、客が来てるから」

「客? あ、ごめん。お取り込み中だった?」

 声だけでは自信が持てなかったが、喋り方を聞いてわかった。

 愛羅だ。

 アリスは急に腹が立って、インターホンにも通るくらいの声を出す。

「入れてあげたら? あたし、もう帰るから」

「けど、お前……」

 アリスは立ち上がり、パネルの前へ移動。

 画面には眉間にしわを寄せる愛羅が映し出されていた。

 アリスがいるのだと気付いたのだろう。

 ムキになったアリスは、

「どうぞ」

 と言ってオートロック解除のボタンを押した。