アリスとウサギ


 アリスは持ち上げられ、気付けばまた彼の膝の上にいた。

 さっき熱を感じていた場所に、再び熱がこもり始める。

「下ろしてよ」

「やだね」

「何する気?」

「マフラー貸したお礼、もらう」

「はあっ?」

「いいから大人しくしろ」

「ちょっと」

 頭を押さえつけられ、顔がぐっと近づいた。

 首を振って抵抗するが、どんどん動きは抑制されていく。

 アリスは諦めて、首から力を抜いた。

「俺、ムカつくと無性にお前にチューしたくなる」

「変な癖ね」

「うるせーよ」

 そしてとうとう触れ合おうとした時。

 ピーンポーン

 助けというべきか、邪魔というべきか。

 ウサギは「ああ!」と声を上げてインターホンのパネルへ移動していった。