アリスとウサギ


 次元の違う話に目を白黒させるアリス。

 そんな彼女を見てふと笑ったウサギは、

「こんなヘビーな話、知られたくなかったんだけど」

 と付け足した。

 確かにヘビーだしできることなんて何もないが、話してくれたって良かったじゃない。

「お兄さんは、今何やってるの?」

「他の会社で建設業の勉強してるよ」

「そう……」

 会社や宇佐木家と彼との戦いだと思っていた。

 ウサギが追い込まれているような気がしていた。

 けどこれは、親と息子の戦いだったんだ……。

「だから俺は何を言われても絶対に継がないし、会社がどうなるかは兄貴次第」

 ウサギの方が上手だったことに一安心。

「それにしても、何であたしが巻き込まれなきゃいけないのよ」

「さあ。お前が説得すれば俺がなびくと思ったんじゃない?」

「バカみたい。そんなわけないのに」

 呆れてため息をつくと、ウサギは笑いながらアリスの両頬に触れた。

「それはどうかな」