愛羅の嬌声。
大好きだと言ったハスキーボイス。
こんなの、とっとと忘れたい。
「あたし、やっぱ帰るね」
「だから今はやめとけって」
ウサギは立ち上がったアリスの手首を掴む。
アリスはそれを思いっきり振り払った。
「触んないでって言ってるじゃない!」
ウサギは再びアリスの腕を掴み、力任せに引き寄せる。
ぐらついたアリスはウサギの膝の上に落ちる形で腕の中に収まった。
「何すんのよ!」
力いっぱい押しのけようとしても、ビクともしない。
「放せっ!」
ポカポカ体を叩いていると、一気に涙が出てきた。
「少し落ち着け、奈々子」
「奈々子って呼ばないで」
「奈々子」
「もう、やめてよ……」
宥めるように背中をさすられると、体の力は抜けていく。
懐かしいシャンプーの香りが余計に涙を誘発した。



