翌日、アリスは1限が始まるより早く情報処理室へとやってきた。

 この日は午後の講義しか履修していないため、午前中は全て初ゼミの作業に没頭するつもりだ。

 適当に席を見つけ、PCの電源を入れる。

 自分のIDとパスワードを入れてログインすると、シンプルなディスクトップ画面が立ち上がった。

 メモリを挿し、データを呼び出す。

 昨日の続きからメンバーの書いたレポートを読むことから始めた。

 他人のレポートなんて読んだことがなかったから知らなかったが、レポートにも個性というものが出るらしい。

 誤字脱字が目立つ人。

 内容が飛び飛びになっている人。

 文だけ賢そうで中身が薄い人。

 個性だと感じるのはそれぞれ欠点だった。

 これをまとめるのは至難の業だ。