そろそろ12月になる。
夜中……というよりは朝方の風に吹かれ、濡れた袖口が痛いほどに冷たい。
荷物は重いし、気も重いし、あんな音を聞いてしまうくらいならウサギの帰りなんて待たなきゃよかった。
愛羅の声が耳に残る。
ウサギの「大好き」が胸に突き刺さる。
アリスにくれたのは「好きみたい」だった。
しかも「困ったことに」付きだ。
「愛羅が大好きなら愛羅と付き合えばいいのよ」
彼女ならきっとウサギの欲する行動を取るし、立ち入り禁止領域に進入しようともしないだろう。
あるいはアヤさんだ。
彼女は恐らくウサギのことなら何でも知っている。
ウサギはきっと彼女を一番信頼しているし。
そういえば、入院時にプロポーズしてたっけ。
ウサギがもう少し粘れば、アヤさんだってその気になるかもしれないじゃない。
……いや、違うな。



