アリスとウサギ


 一気にボリュームが上がったハスキーボイス。

 アリスはビクッと体を震わせた。

 こんなに憎しみの込もった声、ケンカしたときにも聞いたことがない。

「これ以上、部外者が首を突っ込むなよ……」

 元のボリュームに戻った声は、体の芯を刺激するほどに低かった。

 部外者という言葉が、今までのどんな憎まれ口よりも痛烈に突き刺さった。

 目頭がツーンと熱くなったが、自らの意地を守るため、ここで泣いてはいけない。

「あたし、あんたの何なの?」

 繰り返された先ほどの質問に、ウサギは答えない。

「彼女じゃないの?」

 すっかり沈黙してしまったウサギを、アリスは冷静にまくし立てた。

「あたし、ウサギにとって一番近い存在になれると思ってた。あんたのことは何でも自然に覚えていくって思ってた。悩んでることとか困ってることとか、今まではどんな風に過ごしてきたとか、これからはどうしていきたいとか……」