アリスとウサギ




 次に目を覚ますと、もう外は暗くなっていた。

 びっしょりというよりはぐっちょりと汗をかいている。

 熱を計ると「36.3℃」。

 平熱だ。

「治ったぁ……」

 アリスはガッツポーズをしながら冷蔵庫に入っていたジュースをがぶ飲みして、汗を流そうと風呂場へと入った。

 かなりの量の汗をかいたため、いつもより念入りに洗う。

 また体が冷えないよう、シャワーは出したままにしていた。

 だから気が付かなかった。

「熱、下がったの?」

 アリスがバスタオル一枚で部屋に戻ると、スーツ姿のウサギがテーブルにノートPCを広げていた。

 予想だにしなかった来客に、大きく方を震わせ驚く。

「こ、このタイミングっすか……?」

「タイミングなんてどうでもいいんだよ。熱は?」

「下がったよ」

「あー、良かった」