アリスとウサギ


 ウサギもスーツやらシャツやらをポイポイ脱ぎ、下着だけになっていた。

「大きめの服、出そうか?」

「いい。俺いつも裸だから」

 ……納得してしまう自分は彼女としていかがだろうか。

「アリスの前ではパンツ履いてるだけ大サービスだぞ」

「バカじゃないの?」

 アリスは立ち上がり、洗面所へ。

 ウサギは入れ替わるようにアリスのシングルベッドに潜り込んだ。

 メイクだけ落として、狭くなったベッドに入る。

 直後に巻き付いてきたウサギの腕脚は、暖めてくれるようでも熱を吸収してくれるようでもあった。

 これが、夜の女たちがうらやむポジションらしい。

 のど仏から視線を上げると、ウサギの大きな目がアリスを捕らえていた。

 ふと目を閉じる。

 待っていたかのように触れたのは、唇。

 朝日が射し込む窓辺のベッドで、二人はそのまま眠りに落ちた。