甘い香りが立ち込めるダイニングに、パンツ一丁、長めの髪はボサボサのウサギ。
「どうしたの?」
アリスはフライパンのホットケーキをひっくり返してから振り向いた。
「ビックリした。帰ったかと思った」
「何言ってんのよ。ほら、朝ご飯もうすぐできるから」
「あ、ああ……朝飯ね」
ウサギは安心したように頭を掻き、ため息を漏らす。
アリスはウサギの出で立ちにクスリと笑った。
「服くらい着たら?」
「うん」
そう言って衣裳部屋へと行ったウサギは、アリスが着ているものと似たような部屋着に着替えてダイニングへ戻ってきた。
それからは普通に二人でホットケーキを食べて、寄り添いながらテレビを見たり、まったりした時間を過ごす。
アリスは意外にも主導権を握れることに違和感を感じた。
女慣れしている彼のことだから、彼のペースにグイグイ飲み込まれると思っていたのに。



