手を出してこないことに、拍子抜けだ。
昨夜他の女で満たされたのだろうか。
それにしても、帰ってきたのはいつ?
ドアの開く音にもベッドに入ってきたことにも全く気付かなかった。
ウサギの背中に腕を回してみる。
すべすべで、しっとり。
キュッと力を込めると、ウサギの腕もキュッとなった。
しかし力を緩めても、ウサギの腕は緩まない。
「ん、奈々子……」
名前を呼ばれると愛しさが増した。
アリスはウサギが寝息を立てているのを確認して、顎にチュッとキスをした。
今日の講義は二人とも昼からだ。
ウサギはもう少し寝かせておいて大丈夫だろう。
アリスはベッドを抜け出し、キッチンへと向かった。
「アリス!」
ウサギが寝室から勢い良く飛び出してきたのは、それから15分後。



