アリスとウサギ


 少し腹が立って、布団を頭まですっぽりかぶる。

 うるさい、のアピール。

 そして、聞こえてますよ、のアピール。

 ウサギはアリスの動きに気付き、体をアリスに向けた。

 そして包み込むように、布団ごとアリスを抱きしめる。

 電話で何を聞いたのか、ウサギはクスクス笑い出した。

「お前と一緒にすんなよ。俺はそんなことしねーし」

「いや、本気みたい」

「知るかよ。ただ……悪くないね」

「はは、あり得るから笑えねぇな」

「わかったよ。じゃ、俺はもう一眠りするから」

 電話を切ったウサギは、布団の中からアリスを探り出す。

 そしてグイッと引き寄せ、腕の中に閉じ込めた。

 ……それだけ。

 すぐに寝息が聞こえ始める。

 いろいろと覚悟をしていた。

 彼女だし。

 相手はウサギだし。

 しかし、ウサギはアリスを抱き枕にして眠るだけ。