アリスとウサギ


 ピーンポーン

 聞き慣れない呼び鈴の音に、アリスはバチッと目を覚ました。

 出るべきだろうか。

 しかしここはウサギの部屋。

 ピーンポーン

 そもそもこんな時間に、誰だろう。

 ええい!

 出てしまえ!

 アリスはベッドを出てダイニングにあるインターホンパネルのボタンを押した。

「はい……」

 画面にパッと映し出されたのは、どこかで見たことのある女がロビーに立っている映像だった。

「あんた、誰?」

 それはこちらの台詞だ。

「あの……」

「啓介は?」

「仕事に出かけましたけど」

 インターホンのカメラに向かって睨みを利かせる彼女は、恐らくウサギの女のうちの一人だ。

 キャバ嬢風のメイクだが、セット前なのか髪はストレート。

 腕組みをして、顔はますます怖くなった。

「で、あなたはそこで何をしているわけ?」