アリスとウサギ


 自分のことを好きなのかもわからないウサギ。

 女遊びはやめると言っていたが、口八丁手八丁な彼のこと。

 それもどうだかわからない。

 合い鍵は渡されたが、外でつまみ食いをして帰るかもしれないし。

 というより、恋人であるはずの自分はまだ食われていない。

 うまいこと言っておいて、家政婦にでもしようとしているんじゃないか、とさえ思ってしまう。

 アリスのマイナス思考をバカにするように、テレビから爆笑が聞こえた。

 テレビを消してソファに横たわると、慣れない料理のせいか眠気がまぶたを重くする。

 ここで寝てはいけないと、体を起こしてフラフラ寝室へ。

 贅沢なダブルベッドに寝転がるのも、これで二回目だ。

 これからは……目覚めたときにウサギが裸で隣にいるのも、当たり前になっていくのだろうか。

 新しい手触りのシーツからは、ウサギの匂いはしなかった。